小学4年生からが中学受験に向けての高学年としますと、この段階で受験勉強のさせ方でいくつかのパターンに分かれます。
(1)低学年から進学塾に通わせていて、高学年になっても、原則として塾に通わせて、中学受験をさせようと考えてられているご家庭
(2)低学年の間は、特に進学塾に通わせていなかったが、4年生頃から進学塾に通わせようと考えられているご家庭
(3)サッカー・野球・水泳・バレー等を高学年になっても続けさせるつもりだが、レベルはともかく中学受験をさせたいと考えられているご家庭
(4)ご父兄の意向あるいはお子様本人の希望で、進学塾に行かず、家庭で受験勉強をさせようと考えられているご家庭
まず(1)については、大手進学塾の場合は、当然のことながら、独自の教材・ノウハウを使って中学受験まで進めていきますので、問題になるのは、本人が塾の進度に追いつかなくなっているケースでしょう。この場合、学力不足を補うために、家庭教師をつけたり、中学受験用の個別指導塾でフォローさせるケースが多く、またどうしても今通っている塾が合わないようであれば、思い切って早い時期に転塾させる場合もあります。いずれにしましても、このケースの場合は、ご家庭および本人のやる気があるかぎり、志望校を目指しての中学受験ができる可能性は高くなります。
次に(2)についてですが、「中学受験に向けての低学年の過ごし方」「低学年向けのおすすめ教材」で説明しましたが、低学年の間に、計算力・漢字語句等をふくめて、少なくとも中学受験の小3レベルまでの教材ができているようでしたら、大手進学塾の入塾テストにも合格できると思います。もし、これが不十分な場合は、大手進学塾の入塾テストに合格できず、入塾テストの有無にかかわらず入塾資格のゆるい、中堅塾に行くケースが多くなります。中堅塾の特徴としては、クラス分けが2クラスぐらいで、また独自のテキストがないので、塾用教材会社の作った、「中学受験用テキスト」を使って授業をする場合が多いようです。進度は比較的緩やかなので、大手進学塾のスピードについていけない人は、こちらの方がいいかもしれません。
また(3)については、普段の練習が厳しいとか、練習日が多いとかで、受験勉強のための時間を十分にとることができない場合が多いようです。ですから、もしあまり高いレベルを望まないで、中学受験をするということならば、塾に通わせることは難しいので、ご父兄ご自身が教えられるか、また家庭教師を雇うことになるでしょう。その場合は、適当な教材を選び、少なくとも週間・月間・年間計画をたてて、毎日一定量の勉強を継続させることが重要です。
これは、(4)のケースでも同じです。(3)のケースに比べて、勉強時間は十分にとれるにしても、学習計画をたてて、受験勉強を進めていく必要があります。
それゆえ、高学年向けのおすすめ教材については、基本的に自宅で受験勉強をすすめる(3)(4)のパターン向けの教材を紹介します。
ただし教材によっては、(1)(2)のパターンの場合でも、ご父兄が参考に見られたり、塾の教材が不十分だと判断される場合、並行して使われるのもいいかもしれません。